金曜日のネコ

これは何でも良い。詩でも、随筆でも、プログラムでも、便所の落書きでも。

Jeanette M. Wing - 『Computatinal Thinking』について

出典元

日本語訳: https://www.cs.cmu.edu/afs/cs/usr/wing/www/ct-japanese.pdf

原典: https://www.cs.cmu.edu/~15110-s13/Wing06-ct.pdf

おしながき

メタデータ

著者であるJeannette M. Wingについて

『Computational Thinking』について

Wingが2006年に書いたエッセイである。エッセイとはいえACMの学会誌に掲載されており、リファレンスにできるだけの権威は持っている。

このエッセイはウイングがComputational Thinkingとは何か、そしてその意義について述べた文章である。

Computational Thinking自体は1980年代にシーモア・パパートが言い出した考え方である。英語のwikipediaが図解付きで詳しかった。

Computational thinking - Wikipedia

『計算論的思考』について

2014年に中島秀之が原典を翻訳した際に名付けた訳である。経緯は日本語訳の始めに詳しく載っている。

要点

概要

  • Computational Thinkingとは、コンピュータが様々なタスクを処理する考え方、そして人間がコンピュータのように考え問題を解決していく考え方である

アウトライン的な手順

  • 問題を私達が認識可能なものへと変換し
  • 予期せぬ自体への準備を行い
  • 最も適切な精度/工数で解を導く

著者の主張

  • この手順一つ一つはコンピュータサイエンスやインフォメーションエンジニアリングの分野で既に確立されている
  • そしてこの考え方は既に他分野にも多大な影響を与えている
  • 全ての人間が身につけるべき技能である

所感

論理的思考との関わり

「Computational Thinking」は、その後日本の文部科学省の独自の解釈で「プログラミング的思考」となり、2020年から始まる(であろう)小学校でのプログラミング教育必修での重要なキーワードとなっている。

僕は論理的思考を体系的に学んだ訳ではないが、「Computational Thinking( => 計算論的思考 )」は論理的思考を行うためのフレームワークと言えるのではないだろうか。

とても抽象的に捉えられている「論理的思考」を広く普及させる術として具体的なフレームワークを提示することは有効そうに思える。

コンピュータサイエンス讃歌

確かにこの考え方は多くのビジネスの場面でベターなフレームワークだと思う。しかし人間の営みをデータフローで解決することもまた、難しいと思う。

コンピュータはヒューリスティックでありつつも演算を適切に処理してくれる機械である。また、リアルタイムOSみたいなものはリアルタイム性を優先した結果、ヒューリスティックの幅を広げている。

この考え方のフレームでは無いかもしれないが、Computational Thinkingはとてもウォーターフォール的に感じる。人間の問題解決には反復も必要ではないかと感じた。

私の研究との関わり

『プログラム・ソースコードによる表現の可能性』( 2018/11/29時点での論文タイトル )と第打って修士研究を行っている。

詳細: https://nasustim.com/#/works/masters-research

僕の作品は、Computational Thinkingに基づいて世界を捉え、それが結果的にプログラムの体をなしている、と考えることができる。

制作の中での体験ではあるが、私は感情的になると制作が捗る節がある。そしてプログラムを書き終えると「私」と「他人」と「私の内面」を俯瞰した視点で捉えられ、冷静になることができる。これは物事を論理的に捉える手助けをされている、いわば僕の研究で扱う表現は「Computational Thinking」を行うためのフレームワークとして機能しているとも捉えられるのではないか。

まとめ

この記事を書き上げている時、同じタイミングで僕の作品審査の結果を審議する教員会議が行われているらしい。

自分の活動は意義があったと信じたい。自分を信じて。

追記(2018-11-29 20:15)

一年留年が決まりました。